- きれる
- きれる【切れる】(1)一続きのものが, 刃物によって力を加えられたり, 引っ張られたりして, 離ればなれになる。
「ザイルが~・れる」「紙が~・れる」
(2)傷がついたり裂け目ができたりする。 また, ひび・あかぎれができる。「唇が~・れて血が出る」「ひびの~・れた手」「常陸房が太刀は四十二所~・れたりけり/平家 12」
(3)物がこわれたり破れたりする。「堤防が~・れて大水が出る」「袖口が~・れる」
(4)人と人とのつながりがなくなる。「縁が~・れる」「切っても~・れぬ仲」
(5)言葉・文章が途切れたり, 区切りができたりする。 また, 通信が継続しなくなる。「この和歌は第三句で~・れる」「電話が~・れる」
(6)続いているものにすき間・切れ目が現れる。 また, 続いていたものがそこで終わりになる。「雲が~・れて日がさす」「五分も歩くと家並みが~・れる」「車の流れが~・れるのを待つ」
(7)つながっていた電気回路がつながらなくなる。「一定の温度になるとスイッチが自動的に~・れる」
(8)数値がある基準を下回る。 不足する。「目方が~・れる」「元値が~・れる」
(9)与えられた時間がなくなる。 限りがくる。 有効期間が終わる。「定期が~・れた」「来月で保険が~・れる」
(10)使ったり売れたりして, 尽きてなくなる。「ご注文のノートは今~・れています」「油が~・れる」
(11)電池などに貯えられていた力がなくなる。「電池が~・れる」
(12)ぬれていたものから, 水分がしずくとなって落ちつくす。「てんぷらは余分な油が~・れてから盛りつける」
(13)進む方向が変わる。「ポストの所で右に~・れる」
(14)刃物が鋭利である。「よく~・れるナイフ」
(15)事を処理する能力に富む。 特に頭の働きがすぐれている。「頭が~・れる」
(16)トランプや花札の札がうまくまざる。「よく~・れていないのか, ダイヤの札ばかりがくる」
(17)(動詞の連用形について)(ア)完全に…できる, 最後まで…できるなどの意を表す。「食べ~・れるかどうか」「売り~・れる」(イ)(多く心理的な動詞について)強く…する, すっきりと…できるなどの意を表す。 多く打ち消しの表現を伴って用いられる。 「そうとも言い~・れない」
(18)結末がつく。「よき事もわろき事もその時事は~・るるなり/愚管 5」
→ 事切れる(19)金銭を派手に使って気前のいいところを見せる。「是でもはづむ所では随分~・れて見せるよ/滑稽本・浮世床(初)」
(20)顔がきく。 勢力がある。「わしやあこではえらう~・れるがな/滑稽本・膝栗毛 5」
〔「切る」に対する自動詞〕
Japanese explanatory dictionaries. 2013.